自動車レース用ヘルメットをかぶっても大丈夫?

自動車レース用ヘルメットとバイク用ヘルメットの違い

モータースポーツでは、二輪でも四輪でもヘルメットを欠かせません。
二輪でヘルメットが必要なのは言わずもがなですが、四輪でも公道を走るレースの場合、ドライバーはもちろん、助手席のコドライバーもヘルメットを着用することになっています。
いずれにせよ、ヘルメットを被るのは安全のためです。
では、自動車レース用ヘルメットとバイク用ヘルメットにはどんな違いがあるのでしょうか?

バイク用と比べると、自動車レース用ヘルメットの方が耐火性が高いと言えるでしょう。
レース中に事故を起こした場合、バイクだとライダーはバイクから振り落とされますが、車の場合、車内から脱出できず車と一緒に炎に包まれてしまう可能性があります。
そういうときにドライバーを守るため、自動車レース用ヘルメットはあご紐や内装に難燃性の素材を採用しているのです。
加えて、炎の侵入を防ぐため、バイク用ヘルメットと比べて開口部が小さめになっています。

自動車レース用ヘルメットでバイクに乗っていい?

自動車レース用ヘルメットでバイクに乗っても、道路交通法的には問題ありません。
道路交通法によると、バイクの運転に適したヘルメットとは、上下左右の視野が十分あってひさしが風圧などで垂れて視野を妨げない、かつ聴力を著しく損ねない構造、加えて、衝撃吸収性や耐貫通性、固定式のあご紐、2kg以下の重量などの基準があります。

自動車レース用ヘルメットでも、上記の基準をクリアしていればバイクに乗って法律的には問題ないということです。
バイクのヘルメットにはJIS規格やPSCマークなどがありますが、法律ではそうした規格については触れられていません。
ですので、各種規格に適さないヘルメットだとしても、安全性はともかく道路交通法違反になることはないのです。

また、バイク用ヘルメットには半キャップタイプもあり、それらには「125cc以下のバイクに限る」などの注意書きがあります。
この注意書きはメーカーによるもので、法律として決められているわけではありません。
ですので、半キャップタイプのヘルメットで大型バイクに乗っても道路交通法違反にはならないのです。

ただし、法律的にはともかく、安全性や快適性を考えるならバイクに乗るときはバイク用ヘルメットを被る方がよいでしょう。
開口部が小さく難燃性の素材が採用されている自動車レース用ヘルメットでバイクに乗ると、暑い時期などは内部に熱がこもってしまいます。
短時間ならまだしも、長時間のツーリングに被っていたいものではありません。

半キャップタイプのヘルメットで大型バイクに乗るぐらいなら、自動車レース用ヘルメットの方が安全でしょう。
しかし、着用時の快適性も安全運転には重要な要素ですので、やはりバイクに乗るときは素直にバイク用ヘルメットを被った方がよさそうです。

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